TradingView比較チャートと相関分析 - 通貨ペアの重ね合わせ方法
「ドル円が上がっているのは、ドルが強いのか?円が弱いのか?」
比較チャートと相関分析を使えば、こうした疑問にすぐ答えが出ます。TradingViewには強力な比較・分析ツールが備わっています。
比較チャートの基本
シンボルの重ね合わせ
1つのチャート上に複数の通貨ペアや指数を重ねて表示できます。
追加方法:
- チャート上部の「+」ボタン(または「比較またはシンボルを追加」)をクリック
- シンボルを検索して追加
- 「同じ%スケール」「同じ価格スケール」「新しい価格スケール」から表示方法を選択
スケールの選択
| スケール | 用途 |
|---|---|
| 同じ%スケール | 変動率で比較。異なる価格帯の銘柄を比較する時に最適 |
| 同じ価格スケール | 同じ価格帯の銘柄を比較する時 |
| 新しい価格スケール | 独立したスケールで表示。相関の方向だけ見たい時 |
FXでの通貨ペア比較では、同じ%スケールが最も実用的です。
FXで使える比較パターン
パターン1: ドル関連ペアの比較
USD/JPY、EUR/USD(反転)、GBP/USDを同時に表示すると、ドルの強弱が明確にわかります。
- 3つとも同じ方向に動いている → ドル主導の動き
- バラバラに動いている → 各通貨個別の要因
パターン2: 円関連ペアの比較
USD/JPY、EUR/JPY、GBP/JPYを重ねると、円の強弱がわかります。
- すべてのクロス円が同時に上昇 → 円が弱い(リスクオン)
- すべてのクロス円が同時に下落 → 円が強い(リスクオフ)
パターン3: 通貨ペアと関連指数の比較
通貨ペアと株価指数や金利を重ねると、背景にある要因が見えてきます。
| 通貨ペア | 比較対象 | 相関の傾向 |
|---|---|---|
| USD/JPY | 米10年債利回り(US10Y) | 正の相関(金利上昇→ドル高) |
| AUD/USD | 鉄鉱石価格 / 銅価格 | 正の相関(資源価格上昇→豪ドル高) |
| USD/JPY | 日経225(NI225) | 正の相関(株高→円安) |
| EUR/USD | ドルインデックス(DXY) | 負の相関(ドル高→ユーロ安) |
スプレッドチャート
スプレッドチャートとは
2つのシンボルの差(スプレッド)や比率をチャート化できます。
入力方法: シンボル検索バーに計算式を入力
| 式 | 意味 |
|---|---|
USDJPY - EURJPY | 差の計算 |
USDJPY / EURJPY | 比率の計算 |
USDJPY * EURUSD | 掛け算 |
(USDJPY + EURJPY) / 2 | 平均 |
FXでの活用例
金利差チャート:
US10Y - JP10Y
米日金利差のチャート。USD/JPYとの相関を確認するのに使えます。
合成通貨ペア:
EURUSD / GBPUSD
EUR/GBPの実質的なチャート。直接の通貨ペアとの微妙な差異を確認できます。
相関係数の表示
相関係数インジケーター
TradingViewの内蔵インジケーター「相関係数(Correlation Coefficient)」を使えば、2つのシンボル間の相関を数値化できます。
追加方法:
- インジケーター検索で「Correlation Coefficient」を検索
- 追加後、設定で比較対象のシンボルを入力
相関係数の読み方:
| 値 | 意味 |
|---|---|
| +0.7〜+1.0 | 強い正の相関(同じ方向に動く) |
| +0.3〜+0.7 | 弱い正の相関 |
| -0.3〜+0.3 | 相関なし |
| -0.7〜-0.3 | 弱い負の相関 |
| -1.0〜-0.7 | 強い負の相関(逆方向に動く) |
相関の変化に注目
相関係数は時間とともに変化します。これまで正の相関だった通貨ペアの相関が崩れた時は、何か重要な変化が起きているサインです。
例:USD/JPYと米国債利回りの相関が急に崩れた → 金利以外の要因(地政学リスクなど)が影響し始めた可能性
通貨強弱の分析
ドルインデックス(DXY)を活用
ドルインデックス(DXY)はドルの総合的な強さを示す指数です。シンボル検索で DXY と入力して表示できます。
使い方:
- DXY上昇 → ドル高。USD/JPYの買い、EUR/USDの売りを検討
- DXY下落 → ドル安。EUR/USDの買い、USD/JPYの売りを検討
通貨強弱インジケーター
コミュニティスクリプトに「Currency Strength」系のインジケーターが複数あります。主要通貨の強弱を一目で比較できます。
活用法:
- 最強通貨を買い、最弱通貨を売る — 通貨強弱の差が大きいペアほどトレンドが出やすい
- 強弱の反転 — これまで強かった通貨が弱くなり始めたらトレンド転換のサイン
実践的な分析フロー
朝の環境認識に活用
- DXYチャートを確認 → ドルの方向を把握
- クロス円の比較チャート → 円の強弱を把握
- 米国債利回りとUSD/JPYの比較 → 金利との整合性を確認
- 相関が崩れている箇所を探す → トレードチャンスの発見
トレード前の確認
エントリー前に比較チャートで確認すべきこと:
- 「この通貨ペアの動きは、ファンダメンタルズ(金利差、指数)と整合しているか?」
- 「同じ通貨を含む他のペアも同じ方向に動いているか?」
- 「相関のある市場(株、債券)も同じストーリーを示しているか?」
これらが一致していれば、トレードの確信度が高まります。
まとめ
-
比較チャートで通貨ペア・指数を重ね合わせて分析
-
%スケールで異なる価格帯の銘柄も比較可能
-
スプレッドチャートで金利差や合成ペアを表示
-
相関係数で相関の強さを数値化、変化に注目
-
DXYとクロス円比較で通貨の強弱を把握
-
相関の崩れがトレードチャンスになることも
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